家の建て替えを余儀なくされる方々に、思い出が詰まった家の一部を再利用し、家具や小物に生まれ変わらせる、吉田工芸舎の「リビルド(再構築)プロジェクト」です。あなたのお部屋にピッタリの、お洒落なオーダーメイドアイアン家具をご提案いたします。
肥後漆喰とは、古来より受け継がれる、肥後(熊本)の伝統的な塗り壁材です。 熊本城の漆喰壁がその代表です。有明海で採れた赤貝の殻を主原料に、稲穂・海藻などの自然素材のみが使用されています。現在に見る一般的な漆喰は肥後漆喰のように貝殻を使用するのではなく、石灰岩を使用しています。石灰岩は、自然界に蓄積された限りある資源です。それに対し、貝殻は中身を得た後は捨てられてしまうものです。肥後漆喰は限りある資源を採取するのではなく、捨てられてしまう資源を利用して、新たな価値を生み出している材料と言えます。この肥後漆喰に、伝統を引き継ぎながら、新たに色彩やデザイン性を加え、地産池消と環境保全を可能にした材料こそが『現代肥後漆喰』なのです。『現代肥後漆喰』は、平成25年度の熊本市ものづくり大賞を受賞しました。
土壁は日本建築の礎を築いてきた伝統的な壁です。社寺建築、土蔵、納屋などの歴史的構造物には今でも土壁が使用されています。これらの建物のほとんどが下地に竹を編み、その土地の土を使って土壁が塗られています。その建物が一定の役割を終えて解体の時を迎え、使われた材料がその土地に還っていく事こそが建築における理想的な自然環境の循環なのです。そしてここ熊本には雄大な阿蘇の大地が広がっています。大地の恵みをいただき、この自然環境の循環を可能とした土壁こそが『阿蘇の大地壁』なのです。阿蘇の大地壁には、阿蘇の赤土、無農薬のワラ、緑川の砂を使用しています。また近年では竹を編んだ下地から壁を作る工法がほとんど見られなくなり、現在では乾式工法と呼ばれるボードを下地とし、仕上げのみに阿蘇の大地壁の使用も可能となりました。
イタリアンスタッコとは、イタリア周辺国で施工されている「イタリア磨き」と呼ばれる左官技法です。その昔イタリア国内では、西洋建築に欠かせない大理石が多く産出せず、大理石はとても高価な建材でした。その高価な大理石に安価な漆喰を使って表現した技法こそがイタリアンスタッコ(イタリア磨き)なのです。このイタリアンスタッコで施工した壁や柱があまりに美しく、それを聞きつけた周辺国の職人が技法を学び、広く伝わっていったそうです。材料は主に石灰、石の粉などを使い、大理石のような美しい模様と淡い光沢で仕上げるのが特徴です。磨き込んだ壁は、顔が映り込む程に美しく、カラーバリエーション、模様付けも多種多様で、意匠的に魅せる壁として商業建築などで多く見られます。
ノスタルジックウォールとは、壁面、天井面などの、凹凸部や入隅部に顔料を用いて陰影を付け、アンティークな雰囲気を意図的に作り出すオリジナルの左官工法です。アンティーク雑貨や家具に合わせて、ノスタルジックウォールを取り入れる事で、経年変化したような味わいある空間を生み出します。カラーバリエーションも多彩で、屋外、屋内問わず、壁面、天井面、床面などあらゆる箇所に施工が可能です。どこか懐かしくもあり新新で、ノスタルジーな時間を演出する技法こそが、ノスタルジックウォールなのです。
版築(はんちく)とは、土を層状につき固めて建物の基壇や壁などをつくる古代から受け継がれてきた左官技法です。日本では、寺院に多く見られ、現在も奈良の法隆寺などで見ることができます。版築の構造方法は、壁全体を板で囲み、土、石灰、小石、砂などを敷き詰め、たたき棒と呼ばれる棒で、10cm程度の厚みで何層にも叩き固め、作り上げていきます。弊社の版築は、昔は不可能だった短期施工を実施させ、工場製品にはない『自然の美』を表現します。材料には、阿蘇の土、有明海の貝殻を入れ、天然の鉱物を着色剤として使うことで、従来の版築にはない繊細さとカラーバリエーションを生み出すことを実現しました。
三和土(タタキ)とは、土、石灰、苦汁などの三つの材料を配合し、床に叩き固め硬化させて土間を作る左官技法です。この歴史ある三和土は、民家の玄関や基礎、犬走りをはじめ、井戸枠や用水路、相撲の土俵などにも広く用いられていました。土ならではの柔らかさと、ぬくもりある風合いは時間と共に、より風情を感じさせます。現在はコンクリートの普及によってほとんど目にする事がありませんが、三和土ならではの夏場の地熱を和らげる蓄冷性能、冬場の底冷えを和らげる蓄熱性能、コンクリートの照り返しによる反射熱が少ないといった、日本の風土に合った三和土は、後世へと残すべき伝統工法なのです。
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